約束～悲しみの先にある景色～

後から分かった事だけれど、ショーン本人はその頃の事を、


『あの頃は、僕は他の人より感情の起伏がそんなに無かった。だから全体的に何も感じられなくて、とにかく他の人の表情を見て、今感じなければいけない感情を知っていった』


『自分の感情が分からないから、最初はメンバーに凄く迷惑をかけた。…でも、メンバーのお陰で僕は笑える様になった』


と、ある番組で明かしていた。



｢でも、この写真…｣


私は、先程見せてもらったショーンの写真やその他の写真を見ながら呟いた。


輝星の話では、ショーンは笑わない、笑えない、笑う方法を忘れた人のはずだ。


けれど、私が見ている写真の中の彼は、ほぼ全てはち切れんばかりの笑顔を浮かべている。


それこそ、私が“この人には、ガクちゃん達の様な辛くて暗い過去はないだろう”と錯覚した程に。


｢あー、そうなの。ショーンね、最初の半年間だけ表情を失ってたんだけど、その後は凄く笑うようになったんだ。その頃からかなりハルちゃんと仲良くなってるから、私はハルちゃんがショーンに何かしたと思ってるけどね｣


ハルちゃんとショーンの間に何があったのか知りたいわ、と、輝星は意地悪い笑みを浮かべた。