表情筋が固まったから、口角を上げる事もしなかったあの日。
感情というものを消して、楽しくも面白くもないモノクロの世界を自ら作り出して。
残った、悲しみ等のマイナスな感情だけを糧に、ただただ拒否して、諦めて、受け入れて、痛くて、死にたくて、死ねなくて、辛くて、泣いて。
笑わないという事は、そういう経験をしたから起こった副作用の様なもの。
私だって、笑えなかったせいで、お父さんが逮捕された後も随分笑顔を作る練習をした(今となっては恥ずかしいけれど、忘れてはいけない思い出)から。
他のメンバーもだけれど、そんな辛い体験をしたのに全国に名を轟かせる様なアイドルになれたのは人一倍の努力をしたのだろう。
それでも一応、私は輝星に尋ねてみた。
「それって、…どういう事?」
ふと上を見ると、時計は8時20分を指していた。
後5分で、学活が始まってしまう。
「ショーンはそのショックが大き過ぎて、感情を上手く表に出せなかったんだって。だから最初はほぼ無表情だったし、笑う場面でもショーン1人だけ、凄くぎこち無い笑顔だったの」
ショーンはデビューしてから苦しい事があっても一切泣けなかったし、楽しくても笑う方法を忘れてたんだって、と、同じく時計を見た彼女は息を吐き出しながら言った。
感情というものを消して、楽しくも面白くもないモノクロの世界を自ら作り出して。
残った、悲しみ等のマイナスな感情だけを糧に、ただただ拒否して、諦めて、受け入れて、痛くて、死にたくて、死ねなくて、辛くて、泣いて。
笑わないという事は、そういう経験をしたから起こった副作用の様なもの。
私だって、笑えなかったせいで、お父さんが逮捕された後も随分笑顔を作る練習をした(今となっては恥ずかしいけれど、忘れてはいけない思い出)から。
他のメンバーもだけれど、そんな辛い体験をしたのに全国に名を轟かせる様なアイドルになれたのは人一倍の努力をしたのだろう。
それでも一応、私は輝星に尋ねてみた。
「それって、…どういう事?」
ふと上を見ると、時計は8時20分を指していた。
後5分で、学活が始まってしまう。
「ショーンはそのショックが大き過ぎて、感情を上手く表に出せなかったんだって。だから最初はほぼ無表情だったし、笑う場面でもショーン1人だけ、凄くぎこち無い笑顔だったの」
ショーンはデビューしてから苦しい事があっても一切泣けなかったし、楽しくても笑う方法を忘れてたんだって、と、同じく時計を見た彼女は息を吐き出しながら言った。



