約束～悲しみの先にある景色～

ネグレクトには、


子供に十分な食事、衣類、居住環境、監督、潜在的危害からの保護を与えない“身体的ネグレクト”、


愛情やその他の情緒的な支援を与えず、子供が無視されたり拒否されたりする“情緒的ネグレクト”、


予防的な歯科処置や、けがや身体的、精神的な病気に必要な治療などの医療を受けさせない“医療ネグレクト”、


学校に入学させなかったり、公立学校などの通常の学校へきちんと出席させなかったり、在宅教育を受けさせなかったりする“教育的ネグレクト”の、4つの種類がある。


私が実際に受けていたネグレクトは、“身体的ネグレクト”と“情緒的ネグレクト”だけだ。


後は、虐待だけ。



｢…多分、ショーンも瀬奈と同じ種類のネグレクトを受けてたんだと思う｣


気分悪くしたら遠慮なく言ってね、でもこれが、promiseとショーンの真実だから…、と、輝星は悲しそうに呟いた。


｢ショーンの家は母子家庭だったんだけど、お母さんの男遊びが激しかったせいで、ショーンはまともな食事もまともな扱いもされなかったらしくて。…それのせいもあってデビューの時は、一切笑わなかったの｣


(笑わない…？)


笑わない、と聞くと、どうしても虐待を受けていた期間の、私の父親に対する態度を思い出してしまう。