約束~悲しみの先にある景色~

「そう、そうなの。でも、纏う雰囲気とかが少し違ってるから良いよねー。…あ、この人は皆から“ショーン”って呼ばれてるんだけど、アッキーともう1人…後で紹介するけど…の2人は、ショーンの事を“マンネ(末っ子)”って呼んでるの」


「末っ子…?今年で17歳の人が居るのに、何で末っ子…マンネって呼ばれてるの?」


私の止まらない疑問にも、promiseの事をほぼ知り尽くしている輝星は、考え込む素振りもせずに答えてくれる。


「あー、っとね、これには長い訳があるの。…んと、ショーンにも暗い過去があって、それも含めて簡単に説明するとね、」


けれど、一瞬だけ。


ほんの一瞬、彼女の顔が今までのメンバーの過去の話をする時と同じ様に歪み、口ごもった。


「あの…これが1番、瀬奈が共感出来るかもしれないんだけど。…ショーンね、小学校6年生?位まで親にネグレクト受けてたんだって」


数年前から何度も聞かされてきたその言葉を彼女の口から聞いて、時が止まったかの様に思えた。


(ネグレクト…?)



ネグレクト。


それは、親が子供に、身体面、医療面、教育面、情緒面で必要不可欠なものを与えない事をいう。


私自身父親から虐待を受けていて、その内容はネグレクトにも当てはまっていたから、心理カウンセラーの人や警察官からその名前や内容は聞かされていた。