約束~悲しみの先にある景色~

しかも、それが“捨てられた”だなんて。


それでアイドルを目指したのも凄いと思うけれど、そういう過去を隠さずに言えるのも凄いと思う。



「うん、育児放棄なのかいつ捨てられたのか詳しくは分からないんだけど、とにかく今の家族とハルちゃんは血が繋がってないのは確かなんだって。…凄いよね、ハルちゃん」


絶対に自己嫌悪とかなっただろうね…、とため息をつく彼女に、私は深く同感した。


実際に父親に半分捨てられた状態で、家族とも実の娘ともみなされなかった私からしたら、ハルちゃんがその現実を受け止めるのにかなりの時間が掛かった事は分かる。


最も、捨てられた記憶がほとんど無いのなら余り自己嫌悪にはならなそうだけれど、それでも、悲しい気持ちは心のどこかにあるはずだ。


「…ハルちゃんは本当に凄いと思う」


私は、吐いた息と共に言葉を吐き出した。


「うん、私も思う。ハルちゃんを含め、皆promiseが第2の家族だって言ってるし、結束力は他のどのグループにも負けてないと思うよ」


最後だけ自信満々に語気を強めた輝星は、じゃあ次ね、と言いながらまた画像を探し始めた。



「よしっ、次は6人目…promiseのs…see(視る)担当の、中島 紫耀(なかじま しょう)」