約束~悲しみの先にある景色~

確認する様に私が問うと、彼女は微妙な顔をして首を軽く振った。


「ううん、それはないと思う。どちらかと言うと、ハルちゃんは本当は人一倍性格が良いっていうか…、皆の事を凄く良く見てて、優しい良い人だと思うよ」


塩対応で口が悪いのに、性格が良くてクールで優しいなんて。


何となく矛盾している気がするけれど、promise大好き人間の輝星が言っているのだからそうなのだろう。


「ハルちゃんとガクちゃんは同い歳の最年長で今年で19歳なんだけど、多分2人共皆から凄く頼られてると思う。…ハルちゃんは口が悪いけどね」


輝星は、ハルちゃんのフォローらしからぬフォローをしながら説明をした。


「ふーん…」


「…あ、あとハルちゃんは、protectもあんまり知らないんだけど、やっぱりそういう暗い過去があってね」


(やっぱり、あるんだ)


「うん」


私は覚悟を決めて頷き、次はどんな過去なのかと身を乗り出した。


普通は、人の暗い過去に対してこんな反応はしないのだけれど。


「あの…、ハルちゃん、今里親と一緒に暮らしてるんだって。…何か、両親に捨てられたみたいで」



(んんっ!?)


「捨てられた…?」


今までのメンバーの過去の話とは、全く違うケースの過去。