約束~悲しみの先にある景色~

(あっ、)


カイちゃんと呼ばれているその人の様々な写真を見ながら、私は彼女の言葉に反応した。


その症状は、知っている。


特定の物を見て(特定の場所を触られて)気持ち悪くなるのも、倒れかける事も、私には経験がある。


「そっか…。カイちゃん?も、大変だね…」


(まるで私みたい。…私も肩を触られるのが苦手だし、何か似てる)


私は、神妙な顔をしてそう呟いた。


彼はきっと、水がトラウマなのかもしれない。


昔、私がお父さんに沢山の傷を付けられて、肩を触られた時に信じられない程過敏に反応して泣き喚いてしまう様に。


彼ももしかしたら、昔に水に関わる怖い出来事があったのかもしれない。


輝星が先程言っていた、


『瀬奈みたいな経験をしてる人も、中には居る』


という台詞に当てはまる人は、この人だろう。



「ね。ちなみにカイちゃんは、歌を歌う時はほとんど英語で歌ってるんだ。グループの中では最年少だけど、本当に歌声も性格も顔も全てが格好良いから!是非今度曲を聴いてみて」


私がおすすめする曲沢山あるから!、と、彼女はにこにこと笑い、話を続けた。