成瀬ひなりが下校した後、閨川玲眞は実験器具を片付けながらふとさっきの成瀬のことを考えていた。

クラスで最下位なんて口滑らせて、俺って本当駄目な教師だな…反省しないと。
それにしても、補習なんて聞いたら普通嫌がるはずなのに、あの時の成瀬の目、妙に生き生きしてたな…あれだけ点数悪くても化学が好きなんだろうなきっと。

成瀬ひなりに好意を持たれていることなど知る由もなく、玲眞は『化学が好きだけど出来ない成瀬にどう教えれば良いのか』という事を考えていた。