音咲に連れられて来た生徒指導室には、生活指導の鬼丸 蓮次郎(オニマル レンジロウ)と、校長と教頭がいた。

「じゃあ、後はお願いしますね。」

そう言って音咲は、栄華の方をちらっと見て嗤い、生徒指導室を出た。
音咲が居なくなると、鬼丸は立ち尽くす栄華に、座れ。と命じた。
栄華が椅子に座ると、鬼丸は机をダンと叩いた。

「荒野、お前自分のした事分かってるのか?先生方が来るのが少しでも遅かったら、お前、取り返しのつかない事してたかもしれないぞ?分かってんのか?あ?!」

目を合わせずにずっと俯いている栄華に怒鳴る鬼丸。それを校長と教頭がなだめる。栄華はただ、説教を聞き流し、音咲に裏切られた事ばかり考えていた。