ガラッと教室の戸が開いた。
入って来たのは音咲と閨川だった。

「閨川先生、あそこ!荒野さんが成瀬さんをいじめてるんです…!」

そう言いながら、音咲は荒野を指差した。

しかし、音咲が言葉を発する前に、閨川はひなりの側へ駆け寄っていた。

「成瀬!大丈夫か?!」

「…れい…ま…先生…」

薄れる意識の中、その一言だけ言い残し、ひなりの意識は途切れた。

その後、到着した救急車にひなりは乗せられ、閨川に付き添われて病院に運ばれた。