翌日の朝、ひなりはいつも通り登校したのだが、教室に入るとすぐクラスの女子に腕を掴まれた。その女子生徒は、岸本絵麗奈だった。

「エレナぁ。そいつ、こっち連れて来て。」

教室の奥の自分の席に足を組んで座っているこのクラスの女王、荒野栄華が岸本に命じた。
岸本は、逃げようとするひなりの腕を強引に引っ張った。
レムはまだ来ていないので、この教室にひなりを助けようとする人間は1人もいない。
岸本はひなりを、荒野の足元に突き飛ばした。