学校から帰って来たひなりは、レムと電話で話しながら宿題をしていた。いつもは楽しいレムとの会話にも、さっきの閨川の授業以来、ひなりはぼーっとしていて集中出来ない。

『…ひなり?大丈夫?』

電話の向こうから聞こえてきたレムの声に、ひなりははっとした。

「あ、ごめんレム、大丈夫だよ?えっと…何だっけ?」

慌てて返事をするひなり。

『だ、か、ら!今日の閨川先生!ヤバかったよね!雁のことお姫様抱っこして!』

自分が今までずっと頭から離れなかった話題をレムまでもが口にして、ひなりの心臓は激しく脈打った。