「分かった?玲眞先生はあの時、教師だからあんたの掃除手伝ったんだよ。今の見たよね?先生は他の生徒のことも大事にしてんの。あんただけ特別とかマジでありえないから。」

キッパリ言い切ると栄華は、やるねー!と言って自分をおだてる絵麗奈の方へ向き直った。


…先生は、みんなの先生。
私だけの閨川先生じゃない。
私だけに優しい先生じゃない。
そんなの分かってた…
分かってたはずなのに…
なんでこんなにも心が痛いんだろう…

ひなりは俯いて溢れそうな気持ちをぐっとこらえた。