13年前、音咲歌那美は中学1年生だった。

音楽一家に生まれ、幼い頃から歌や楽器とともに生きてきた彼女は、中学で合唱部に所属し、その実力を発揮していた。

全校朝礼の時に舞台で歌ったり、合唱祭ではソロを担当したりしているうちに、彼女の存在は学校中の注目の的となった。

そしていつしか、綺麗な歌声に加えて美しい容姿の彼女の周りには、沢山の男子生徒が侍るようになっていた。

しかし、歌那美の目的は沢山の男子たちにチヤホヤされることでは決してなかった。