「いえ?間違えてなんかいませんよ。……ワザとです。」

歌那美の最後のセリフを聞いて、閨川も仕事をする手を止めた。

「ワザと?」

「はい。だって…」

歌那美は立ち上がり、閨川の側まで歩いた。
そして、椅子に座ったままの閨川を後ろから抱きしめ、彼の耳元で囁いた。


「あなたを生徒に盗られるなんて嫌ですもの。…閨川先輩♡」