「ずっと寂しかったんだよ!中学からレムと疎遠になったこと…。でも、高校では絵麗奈…岸本以外の友達とは全員別れたし中学の時みたいに万引きなんてしなくなったからアンタはまた私の所に戻ってきてくれる…そう思ってた。」

こいつは何を言っているのだろうか?
万引きは勿論いけないことだがレムが怒っているのはそういうことではない。
レムは再び足を進めた。
しかし、荒野は続ける。

「なのに……成瀬ひなりにアンタを奪われて…挙げ句の果てに成瀬は玲眞先生のことまで……。私どうしてもアイツを許せなかった…私の大事なもの全て奪っていくあの女が本当に憎かった…。でも…」

荒野の声が少しずつ震えていく…

「私のこういう所が…レムは大嫌いなんだよね…」

レムは振り返った。そこには、顔を涙で濡らしながらじっとレムを見つめる荒野がいた。