「本当は…もう気付いてるんじゃないですか?」

ひなりは、今度は閨川の目を真っ直ぐ見つめて問いかけた。

「……気付いてる…って…何に?」

「知らないフリしないで下さい…っ…」

先生…
本当はもう知ってますよね?私の気持ち。
それなのにとぼけるなんて…ずるいです…

「さっき…帰ろうとした時に聞こえちゃったんです…鬼丸先生が……合コンって…。」

ひなりはまた俯いた。

「あ、ああ。聞こえてたか…生徒の前で教師らしく無い発言して悪かったな…すまない…」

閨川が謝罪の言葉を言いかけた時、ひなりは、隣に座っている閨川にぐっと近寄り、彼の腕にしがみついた。