さっき「行かないで」って思わず言っちゃった…
でも、先生。そこ指摘しないんですね…
先生は本当に優しくてかっこよくて、私なんかには釣り合わない…
そんなことはわかってる…わかってるけど…
でももうこの気持ちは止められない…

私は…先生を誰にもとられたくない。
先生に私を、私だけを見て欲しい。

「てゆか成瀬、傘持ってなくて困ってたのか?警備室に行けば傘借りれるって知らなかった?」

閨川がひなりの横に少し距離を置いて座った。

「あの…先生…」

ひなりは俯いたまま閨川に呼びかけた。