「光莉、起きなさい!」
1階からお母さんが呼んでいる。
どうやら寝坊してしまったようだ。
なんだか、うなされてよく眠れなかった。
理由はよく分かっている。
昨日のゲームが原因だ。
てっきり、また楽しいことが起きると思っていたのに【骨折】なんて__。
「ちょっと、ご飯は⁉︎」
「いらない!夕飯もいらないから!」
早口で言って、逃げるように家を出た。
でも食べなければいい。
朝、昼、晩と、3食だけ我慢すればいいんだ。3日じゃない、たった3食だ。
「おはよう、光莉」
校門の前で、未知瑠が手を振っている。
心なしか元気がない気がするが、私が「おはよう」と返すと、ぐーっ!と未知瑠のお腹が鳴った。
「ちょ、ちょうどダイエットしようと思ってたから」
ははは、と乾いた笑い声を出す。
「今日1日だけだもん。がんばろ」
「うん、痩せて綺麗になる!」
こんな時でも明るく振る舞う未知瑠が、友達で良かったと私は心から思った。
教室に入ると、亮平と彰もすでに登校していた。
「なにも食べてないから大丈夫」
私がそう言うと「みんな、ほんとにありがとう」と亮平がお礼を言う。
なんだか、亮平の役に立っていると思うと嬉しい。
これでまた、私たちの絆もさらに深まるはずだ。



