【テストで0点を取る】
「0点なんて」
呆然と呟く板垣は、顔を真っ青にしている。
私ならどうってことはないが、頭が良くてクラス委員の板垣からすれば、それは恐ろしいことなのだろう。
「指令書に書かれてあることをクリアすれば、回避できるよ」
悪魔が囁くように言うと、板垣は急いで箱の中に手を突っ込んで紙を引いた。
その手が止まる。
「これは、別に引かなくてもいいのか?」と。
「うん、いいけど、0点だよ?内申書とかにも響かないかなぁ?」
「内申書に?」
箱から引きぬいている紙と、悪魔の顔を交互に見て唇を噛み締めている。
0点ともなれば、受験にも響くかもしれない。
けれど、板垣は紙を放して箱から手を抜いた。
「0点は甘んじて受ける。悪いことも本当に起きるのか、確かめたほうがいい。それには、僕が0点を取って証明するのが1番だ。だって、そんなことは普通ならあり得ないからな」
なぜか胸を張る板垣は、自分が犠牲になって確かめるという。
それは有り難かったが、これまで良いことは必ず現実に起きている。
悪いことだけ起きないなんて、それこそ都合よくない?
それから友美と、最後に私が投げたがマス目に変わりはなかった。
「みんな、なにも食うんじゃないぞ!」
そう彰に脅され、裏・リアル人生ゲームの1投目が終わった。



