「それはズバリ、サイコロだよ。サイコロを2つ投げることができる。良かったね」


天使が微笑むが、嫌味だとしか思えない。


今さらサイコロを2つ投げたところで、前に進むしかないからだ。


もう、3億円には届かない。


今現在、みんなが獲得しているアイテムは以下の通り。


未知瑠【パスカード】


亮平【パスカード】


彰【ダーツ】


友美【プレゼント】


板垣にいたっては、なに1つアイテムをゲットしていない。


けれど、どう組み合わせても3億円のマスを踏むことは不可能だ。


「とりあえず私、パスする?」


未知瑠が【パスカード】を使った。


自分の番を一回パスできるカードだ。


続いて亮平もパスカードを使う。


使わないでサイコロを投げると、前に進んでゴールしてしまうからだ。それを避けるのは、サイコロで①を出すしかない。


順番でいうと、次は彰だ。


彰は【リターン】のカードと、【ダーツ】のアイテムを持っている。


【ダーツ】は文字通り、ダーツで当てた目だけ進むという。


とはいえ、的はサイコロと同じで①から⑥しか出ないから、どっちみち3億円には届かない。


「あっ‼︎」


突然、未知瑠が大きな声を出した。


「そういえば、変なマス目があった」


「変なマス目?」


「うん」


なぜか笑顔を浮かべて、未知瑠が言ったんだ。