「でも君がそこからゴールするには、レアアイテムの【金のサイコロ】を使い、⑤のゾロ目を出さないといけない。チャンスは1度きり。もしそれを外してしまえば、ゴールする前に焼かれてしまうからね」
「⑤のゾロ目?」
「あっ、別に⑥でもいいんだよ?」
愉快そうに悪魔が笑う。
心から、楽しんでいるんだ。
私が助かるには、⑤か⑥のゾロ目を出さないといけない。
でも、やるしかないんだ。
「【金のサイコロ】を使う」
静かに宣言すると「そうこなくっちゃ!」とはしゃいでいる。
右手には普通のサイコロ、そして左手には金のサイコロ。
ゾロ目が出たら、2つの出た目を足してさらに3を掛けた数を進むことができる。
⑤のゾロ目で30マス。
⑥のゾロ目で36マス。
それ以外のゾロ目は、ゴールには届かない。
そもそも、ゾロ目以外は意味がないんだ。
「⑤と⑥、⑤と⑥」
呪文のように繰り返す。
私ならできる。
私なら。
だって私は、サイコロの達人だから。
自分を信じるんだ。
目を閉じて、両胸に抱き締めたサイコロに祈りを込める。
大きく息を吐き出し、目を開けた。
そして2つのサイコロを、同時に放(はな)った__。



