マス目だけじゃない。
宝箱や、ゴールを遮る炎まで、再びボードが完成する。
完全に元どおりだった。
【爆弾】を使えば、全部が消滅するはずじゃ?
「そんなに驚いてないみたいだね?もしかして、こうなることも想定して、そこまで戻ったの?」
「__そうよ」
私は短く答えた。
【爆弾】の効力がずっと続くなんてこと、悪魔は一言も言っていない。
どうせすぐ元に戻るんじゃないか?
悪魔の性格からして、こうなることを予想したんだ。
だから、あえて安全なところまで戻った。
ここからなら、まだゴールを狙える。
問題は私以外、全員が居なくなってしまったこと。
メンバーを補充しない限り、私が代わりにサイコロを振らないといけない。
それだけは避けたいが__。
「はい、サイコロ」と、悪魔が差し出してくる。
もう私のターンは終わったはず。
一旦、現実世界に戻って、適当にメンバーを補充してここに戻ってくるつもりだった。
そして今度こそ、私はゴールする。
それなのに、どうして?
「君の度胸に免じて、もう1回だけサイコロを投げてもいいよ」
「えっ__?」
「ゴールを狙ってるんだろう?」
私にそう尋ねる悪魔は、とても嬉しそうだった。