そこには、何もなかった。
真っ黒だった空さえ、消えて無くなった。
ここは、天国だろうか?
それとも、地獄?
私は【爆弾】を使って、なにもかもを吹き飛ばした。
サイコロもマス目も、参加者もすべて。
それなのに、私の前に降り立ったのは悪魔だった。
「最初から、自分だけ生き残るつもりだったんでしょ?」
そう言って、ほくそ笑む。
【爆弾】を使えば、その本人も消滅するはず。
けれど、私はこうして存在していた。
「君は【アーマー】を使っていたから、爆弾が効かなかった。でしょ?」
これにも答えず、私は前だけを見つめる。
そう、私はこうなることを見越して爆弾を使った。
【アーマー】は3ターン全ての攻撃を無効にする。
文字通り、私はゲームを終わらせたんだ。
なにもかもを吹き飛ばして。
これで終わりだ。
マス目もゴールもない。
ゲームそのものが無効になったんだ。
つまり、私の勝ち。
無表情な悪魔と、しばらく見つめ合う。
もうこいつと顔を合わせなくていいと思うだけで清々する。
帰るんだ、現実世界に。
もうこんなゲームは2度とごめんだ。
私が悪魔に背を向けた、その時だった。