「でも、そしたら一緒に死ぬんだぞ!」


まだ諦め切れないのか、亮平が食ってかかってくる。


「そんなこと、言われなくても分かってる!このゲームを始めたのは私。みんなを巻き込んでしまった。だから、私なりに責任を取るつもり」


この【爆弾】を使って。


しばらく、誰も口を開かなかった。


重苦しい沈黙が、ボードの上に広がる。


それを破ったのは__未知瑠だった。


「分かった」とだけ言い、その場に座り込む。


「分かったってなんだよ⁉︎なにが分かったんだよ!一体なにが__」


「うるさい‼︎」


ぴしゃりと、未知瑠が遮る。


「もう、光莉は決めたんだよ。私らがなにを言ってもムダ。それに、私ももう現実の世界で生きててもしょうがないし。自由なのはここだけだもん」


「なんだよ、それ。俺はそんなの認めない」


「男のくせに、ぐちぐち言ってんじゃないわよ」


未知瑠だ。


私がよく知っている、未知瑠が戻ってきた。


「光莉、派手に爆発させちゃって!」


「__未知瑠」


マス目の距離はあったが、未知瑠がとても近くに感じられた。


友美も諦めたのか、呆然と立ち尽くしている。


いじめるのも、いじめられるのにも、疲れたのだろう。


やがて、亮平も黙り込んだ。


「ホントにいいの?」


そう尋ねる悪魔に、私はしっかり頷いた。


【爆弾】を、使うんだ。