私は素直に従った。
ここで抵抗して、ムダに力を使いたくない。
みんなが呆然と見つめる視線を無視し、ひとりゴールから遠ざかる。
ゴールまで30マス。
気分的には、振り出しに戻った気分だ。
また何回もサイコロを投げないといけない。その間に、前にいる3人は死ぬだろう。
未知瑠はもう【リターン】を使ってしまった。
前に進むしかなく、焼かれるだけだ。
亮平は次のターンで合計30kg痩せることになる。
このまま痩せ衰えていく。
爆弾を失った友美も同じ。
ただ炎に焼かれるだけだ。
けれど私には【金のサイコロ】がある。
ゴール前を牛耳っている炎を一気に飛び越えることのできる、レアアイテムが。
しかし、ここからだとゴールする確率は低い。
⑤か⑥のゾロ目を出さない限り、私も死んでしまう。
できればもっと前に進んでから、この特別なサイコロを使いたいが__。
「まだ君のターンは残っているよ」
悪魔がサイコロを持ってきてくれた。
私がこの普通のサイコロを投げるということは、未知瑠、亮平、友美の3人を見捨てるということ。
私がどうするのか、固唾を飲んで見守っている。
かつての私の、親友。
かつての私の、恋人。
かつての私の、友達になれたかもしれない存在。
私は決めた。



