まただ。


私はまた屋上にいた。


確かベッドに入って眠ったはずなのに、気づけば制服を着て屋上にいる。


そして足元には、すごろくのマス目が浮かび上がっており__。


「それじゃ、ゲームを始めるよー」


陽気な天使が、私たちを出迎えてくれる。


ほぼ同時に全員が目を覚ました。


「またか」と口々に呟くが、すぐに亮平と彰が駆け寄ってくる。


2人には、夜にラインで知らせてあった。


私がコンビニで100万円を拾ったことを。


「これって、止まったところのことが、現実で起きるってこと?」


亮平が天使に尋ねる。


「いや、でも待ってよ。それならあの子もモデルになるはずでしょ?」


未知瑠が割って入ると、すぐにクラス委員が「どういうことだ?」と詰め寄ってきた。


仕方なく私が説明するが、結局のところ佐野友美がモデルになんてなれるわけがないと、一同はそこに落ち着く。


「てか、あの子は?」


未知瑠がそう言って辺りを見回した時、金色の光が集まったかと思うと、人の輪郭になり__。


佐野友美が現れた。


「えっ⁉︎」


けれど誰もが、口をぽかんと開けたまま、友美が立ち上がるのを見ていたんだ。


「あれ、本当にあの子?だって、髪の毛が__?」


そう。


佐野友美は、腰まであった髪をばっさり切っていた。