「なに言ってんのよ」
未知瑠が振り返り、鋭く吐き捨てる。
包帯に埋もれた目が、怒りに燃えていた。
「あんたのことなんか、信用できるわけないじゃない!」
「でも__」
「どうせ、戻ったマス目でなにか起きるんでしょ⁉︎私は亮平みたいに騙されない。あんたの言うことなんか、絶対に信じないんだから!」
サイコロを叩きつけんばかりに、地面を蹴る。
未知瑠の言うことは最もだ。
私たちの間には、痩せた亮平が立っている。
私がウソをついて、亮平を罠にかけた。決して逃れられないループに陥れたんだ。その亮平の気持ちも、自分から離れているのを感じているはず。
それが一層、未知瑠の怒りに火をつけていた。
なにを言っても聞く耳を持ちそうにない。
「別に私の言うのことを信じる必要はないし」
「えっ?」
「前に進んで③が出たらどうするの?確率は6分の1。でも【リターン】を使って戻れば、死ぬ心配はない。なにか起きるかもしれない。でも今以上に悪いことなんてないと思うけど?」
私の言葉を、じっと聞いている未知瑠。
どっちが安全か考えているのだろう。
私の言うことには、従いたくないはず。
けれど未知瑠は「リターンを使う」と悪魔に言ってから、サイコロを投げた。
出た目は、③だった。



