「みんなと会えるのも、今日が最後かもしれない。そう考えると込み上げてくるものがあるよ!」


悪魔が目を輝かせて、それぞれのマス目についている私たちを見回した。


先頭は、未知瑠と友美だ。


けれど、目の前には火柱が昇っている。


それから少し空のマス目を挟み、ゴール前には炎が6つ。


簡単な話、どの目を出しても炎に焼かれる創りになっていた。


すべての炎を飛び越えるには、⑥じゃ足りない。


先頭の2人の後ろで、亮平が私を睨んでいた。


なかなか凄みがある。


だって、一晩で10kgも痩せたのだから。頬と目が落ちくぼみ、顔色も悪かった。


亮平だけはサイコロを投げる必要はない。


4マス進んで10kg痩せ、また4マス戻る。


永遠に終わらないループ。もし私に逆らえば、痩せ続けるだけ。


もう20kgくらいは奪い取ってやりたかったが、そうも言ってられない。


恐らく、未知瑠か友美のどちらかが、炎をかすめる。


そうなる前に終わらせないといけないが__。


「③以外、③以外」


呪文のように唱える未知瑠が、サイコロに願いを込める。


③が出れば焼け死ぬ。


顔を上げた未知瑠がサイコロを投げる__「未知瑠」と、私はそれを止めた。