光の渦に手を入れ、中からアイテムを取り出す。


これは__?


「へぇー、ここにきてそれ引き当てるんだ」


「これは?」


「それはそのまま【金のサイコロ】だよ。通称ゾロ目ともいう」


「ゾロ目?」


「そう、いつものサイコロと投げて同じ目、つまりゾロ目が出たら、出た目の掛ける3進める。たとえば4が2つ出たら、24マス進めるってわけ」


「24、マス」


いつまでも眩(まばゆ)い光を放つサイコロを手に、私は呟いた。


一気にゴールできるじゃないか?


もし⑥が出たら、36マスも進めることになる。


あのゴール前に立ち塞がる炎たちを、軽々と飛び越えていけるわけだ。


ただし、ゾロ目を出さないといけない。


そうじゃなければ、炎に焼き尽くされるだろう。


どちらにせよ、次のゲームで片がつく。


「光莉、ふざけんなよ‼︎」


亮平がまだ怒鳴っていた。


「黙ってくれない?」と言い放つ声の冷たさに、自分でも驚く。


「それとも、そこずっと行き来して痩せ続ける?私が普通にサイコロを投げて、①か②しか出なかったら、亮平はその間に0kgになるかもね」


一気におとなしくなった亮平に__私は言ってやった。


「私を裏切った、罰だから」