「えっ⁉︎」
全員が声を上げた。
爆弾を使うと豪語している友美でさえ、驚いている。
由佳の行く手を遮る炎は、4つ先のマス目で待ち構えている。
④を出せば、このボード上で死ぬということか?
でも、私たちが驚いているのは、それじゃない。
みんな、ゴール地点を見つめていた。
ゴールの手前のマス目が、ほぼ炎で埋まっている。
これじゃ、ゴールできない?
3億円の時もそうだった。
普通にやれば、3億円なんて取れるわけがないマス目だったんだ。
ゴールがしにくいように細工されているのは、当然のことかもしれない。
でも、3億円の時はみんなで協力して手に入れることができた。
アイテムを駆使すれば、不可能なことはない。
私は自分のアイテムを確認する。
今、私が持っているのは【チェンジ】と【アーマー】だ。
【チェンジ】は文字通り、誰かと入れ替わる。
【アーマー】は3ターンすべてを無効にする。
これだけか。
みんなも1つや2つアイテムを持っているが、果たしてそれでゴールできるだろうか?
「早く!」
余裕があるのか、友美がさらに急かす。
そうだ、今は由佳だ。
由佳はなにもアイテムを持っていない。
④を出せば、死ぬ。
逆に④以外を出せば、一気にゴールに近づく。



