「彰!」
目を覚ました彰の首に、私は抱きついた。
「いてっ」と痛みに声を上げても、抱きついて離れなかった。
「良かった、彰。本当に__良かった」
拭っても拭っても、次から次へと涙が溢れてくる。
もっとはっきりと彰の顔を見たいのに、どうしても涙が邪魔をするんだ。
「てかさ、顔、ひどいぞ?」
「う、うるさい!」
「鼻水もやばくねーか?」
「もう!」
バシンと肩を叩いてやると、痛かったのかまた顔をしかめる。
ちょうどその時、入ってきた看護士さんが先生を呼びに行き__再び2人きりになれたのは、しばらく経ってからだ。
もう大丈夫だろうというお墨付きをもらい、私は心の底からホッと安心した。
「彰、ありがとう」
「ん?」
「私を、守ってくれて」
「好きなやつを守るのは、当たり前だろ?」
「__うん」
ひとつ頷いて、彰の大きな手を握った。
少し体を起こした彰に引き寄せられ__私たちはキスをした。
そうなることが、決まっていたかのように。
心が満たされると急に睡魔が襲ってきて、私は何度もあくびをかみ殺す。
彰の胸に頭を乗せると、優しく頭を撫でられ。
私は眠ったんだ。
ゲームを、終わらせないといけない。