「夢?」


「そう、なんかさ、屋上でサイコロ振るの。それで光莉が100万拾うとか。でも1番ウケるのはさ、佐野友美がモデルになるとか、まじウケるって」


楽しげに話す未知瑠を、私は唖然と見つめていた。


同じ夢を、見ている?


「おいおい、なんかさ、変な夢みたんだけど?それが、彰も同じ夢みたっていうんだよな」


亮平と彰が、私の机にやってきた。


やっぱり、間違いない。


「私も__見たよ」


「光莉も?なんか私たちって運命って感じしない?」


そう言って、未知瑠が抱きついてくる。


それで納得できる、明るい性格だ。


亮平もあまり深く考えるタイプではないし、彰だけは腕組みをしてなにか考え込んではいたが。


ふと視線を感じて顔を上げると、クラス委員がこちらを睨んでいた。


6人で参加したのだから、当然だ。


隅っこの席についている佐野友美だけは、俯いているだけだったが。


だからといって、どうってことはない。


あの【井戸女】がモデルになんてなれやしないし、しょせんは夢の話だ。


授業が始まる頃には、私たちは誰もゲームの話は口にしなくなっていた。


だが、事件は放課後に起きた。