「犬って__?」
由佳が険しい表情で、悪魔に詰め寄る。
ゲームでのことは、現実世界でも起きるはず。
犬になるとは一体、どういうことだろう?
けれど悪魔が答えないので、さっさと友美がサイコロを投げた。
出た目は①だ。
ゆっくり、もったいつけるように一歩を踏み出すのを、私たちは緊張して見守っていた。
この瞬間、いや__今、ゲームの支配者は友美だ。
だって、全員の命を握っているのだから。
犬が一気に女王様に昇格した。
私たちは、女王様の奴隷だった。
「はい、次は光莉」
友美がそう言うと、みんなが止めていた息を吐き出した。
どうやら、爆弾は使わないらしい。
親しげに私の名前を呼ぶが、パシリに使ったじゃないか?
一発、殴ってやりたいが、爆弾がある以上、迂闊に手を出せない。
サイコロを投げたが、マス目に変化はなかった。
今日のゲームはこれで終わり。
明日になれば、また奴隷にならなければいけない。
それなら学校なんて行きたくない__?
「あっ、そうだ」
友美の言葉に、私たちはどきっと振り返る。
「池岩さん、また学校に来なかったら【爆弾】使うから。他のみんなもね」
最後に釘をさされ、私たちは解散した。



