「ふ、ふざけるな‼︎」
由佳が血走った目で飛びかかるが__。
「爆弾、今すぐ使います」
友美がそう言うと、由佳がぴたりと止まった。
殴りかかりでもしたら、それと引き換えに消滅する。
さすがにそのことを感じ取った由佳が、唇を噛み締めて悔しさを押し殺しているようだ。
「私は死んだって構わない。全員を道連れにできるなら」
堂々と宣言する友美から、確かな覚悟が感じられる。
脅しじゃない。
友美は、本当に爆弾を使うだろう。
自分が消え去っても、自分のことをいじめた由佳を許せないんだ。
でもそれは、あくまで由佳だけの話。
「私は、友達じゃ?」
「えっ?」
「友達になれたと思ってた」
それは素直な気持ちだった。
このゲームを通して、友美と心を交わすことができたと思った。友美がいじめられているのを何度も助けたし、私のことを「光莉」と呼んでくれた。
未知瑠の秘密を暴露したのも、友達の私が騙されているのが可哀想だからと__。
「__友、達?」
友美がそう呟く。
「そう、友達でしょ?だから、馬鹿なことを考えるのは__」
やめて、と最後まで口にすることができなかった。
私の言葉を遮るように、友美が笑い出したからだ。
下品な笑い声が、どこまでも響き渡る。



