時が止まった。


爆弾を持ったまま佇む友美を取り囲む私たちは、瞬きするのも忘れ__。


「なに、言ってんの?」


「聞こえなかった?全員、地獄行きってこと」


唇の端を吊り上げ、友美が妖しく微笑む。


これまでは、いつも俯き加減で目を合わせず、どこか震えていたはずなのに、こんなにも変わるものなのか?


【爆弾】という最高の武器を手に入れたから?


それは、私たちを一瞬で吹き飛ばすことができる。


「でも、自分も死んじゃうのよ⁉︎」


未知瑠が必死に説得しようとするが、友美はふふっと笑って言った。


「だから?」


「だからって__そ、それでもいいの⁉︎」


「だって私、死んでるも同じだもの。ねぇ、そうでしょ?池岩さん」


名指しされた由佳が、びくっと体を震わせた。


「昼間も私に【死ね】って言ったわよね?だからその通りにするの」


「あんた、なに言ってんのよ?」


「でも私は1人じゃ死なない。全員、道連れに死ぬから」


「ひ、1人で死ねよ!」


強がって怒鳴るものの、由佳の顔からは血の気が引いている。


それに比べ、友美は落ち着き払っていた。その目が、すーっと細くなり。


「私に、そんな口のききかたしていいの?」