「えっ⁉︎」
あの悪魔が、驚いている。
悪魔だけじゃない。
私たちは唖然として、レアアイテムの持ち主である友美を見やる。
聞き間違いか?
爆弾を、使うと聞こえたけど?
「爆弾、使います」
みんなが見ている前で、友美がはっきりそう言った。
ややはにかんだように、言ったんだ。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
先頭の未知瑠が、慌てて駆け寄ってくるとがっしりと友美の肩を掴み___。
「なに言ってるか分かってる⁉︎それ使えば、あんたも死んじゃうんだよ!」
と、揺さぶって言い聞かせる。
それでも友美は「使います」と、さっきより強めに言った。
「犬が頭おかしくなったんじゃない?それとも、本当に犬になったとか?」
腕組みをした由佳が、そう言って小馬鹿にする。
「ちょっと待って。もし、もしみんなのことを思って、爆弾を使おうっていうのなら、待って。もうゴールは見えてるし、私たちのために犠牲になる必要はない」
私は、友美に伝わるよう、目を覗き込んで諭す。
きっと友美は、私たちの苦しみを取り除こうとしてるんだ。
変に気を回して、ゲームを終わらせようとしている。
だから、そんな気遣いは要らないのだと説明をすれば分かって__くれ、る__は、ず?
私は思わず身を引いた。
鼻を鳴らして笑い出した友美から、後ずさる。



