⁉︎
「全員が消滅するって、それは__?」
「死ぬってことだね」
悪魔はいとも容易く答える。
人間の命なんか、綿ぼこりくらいの価値しかないかのように。
「じゃ、爆弾を使った本人は?それも消滅するっていうのかよ?」
彰の問いかけに、みんなの視線が友美へと向けられる。
爆弾を大事そうに、そっと胸の前で抱えている。
悪魔は友美に微笑みかけ「使った本人も消えてしまうんだ。なにもかも消滅する」と答えた。
「じゃ、そんなの使うわけないじゃない!」
未知瑠がそう言うと、誰もが頷く。
使った本人だけでも助かるならともかく、なにもかも消え去ってしまうんだ。
それが分かっていて、爆弾を使うなんて__。
「それが、爆弾を手にすると100%、消滅しているよ。つまり、使うというわけさ」
「どうして?」
「どうして?」
おうむ返しの悪魔は、首を傾げて続けた。
「このゲームを続けるより、消えたほうがマシだからさ」
その言葉に、誰もが言葉を失う。
これ以上、地獄の苦しみを味わうならいっそ、粉々に消えたほうが、いい?
極限まで追い詰められた気持ちは、分からないでもなかった。
でも、まだゴールできる見込みがあるなら、そんな危険なアイテムは使わないほうが__?



