どんどん浮き上がってくる、四角い__マス目?


私たちは思わず後ずさる。


目の前に出来上がっていく、地図のような図面のような__?


「すごろく?」


さすがクラス委員だ。


私は分かっていたが、こんなに早く気づくとは。


そう、これは人生ゲームだ。


箱から出してみたから、私は知っている。あの小さなボードゲームが、巨大化されて私たちの目の前に広がっていた。


「ここ、スタート地点て書いてある」


未知瑠が地面を指差す。


確かに【スタート地点】とあり、私たち6人を丸く取り囲んでいた。そこから、正方形のマス目が繋がっていて、それは屋上の端っこまで続いている。


1番、先が【ゴール地点】なのだろう。


「ルールは簡単。1人ずつ【サイコロ】を振ってもらう。出た目の数だけマスを進んで、ゴールすれば終わりさ。どうだい?簡単だろう?」


そう言って、天使は四角いサイコロを差し出す。


「とにかくやってみよう。まずは誰からサイコロを振る?」


そう言われても、手を挙げるやつなんて居ない。


クラス委員は怒っているし、彰は警戒している。


未知瑠と亮平は顔を見合わせ、佐野友美はずっと俯いており__。


天使が、私を見た。


「やっぱりここは、言い出しっぺの__」


「ああ!私やる、私が投げる!」