ぎゅる。


お腹が何度も鳴るので、お昼休みは教室を出た。


何処に行こうか迷ったが、結局、いつもの屋上にやってきた。


「__友美?」


地べたに、友美が這いつくばっている。


その背中を踏みつけているのは、池岩由佳だ。


「飲みなさいよ!」


そう言って、雑巾の絞り汁を深皿に入れている。


けれど友美は顔を背け、決して飲もうとはしない。


指令を守ってるんだ。


「やめなさいよ!」


「あら、また仁科さん?じゃ、代わりに飲む?」


由佳が微笑む。


「それとも、一緒に【犬】で遊ぶ?あなたさえその気なら、私たちの仲間にしてあげてもいいわ」


「誰がお前なんかと」


「ああ怖い。だから、彼氏を親友に寝取られるのよ」


最後まで聞かないうちに、私は由佳に飛びかかっていた。


髪の毛を引っ掴んで殴りかかる。


しかし、手下が数人がかりで私を押さえつけ__。


「まぁ、許してあげる。傷心中だろうから」


そう言い残し、行ってしまった。


後を追いかけようとした私を、友美が引き止める。


「怒ったら、負けだよ」と。


でもずっと痛めつけられ、抑え込んだ怒りがいつか【爆発】するんじゃないか?


私はそんな思いで友美を見つめていた。