【参加者全員、飲み食いしないこと】
この指令はこれで3度目だ。
でも、誰かが隠れて飲み食いしていたため、亮平が骨折した。
その【誰か】が、また指令を破るかもしれない。
今の苦しみは私のせいだと__。
だから私は、学校にやってきた。
みんなを見張るために。
教室に入ると、真っ先に未知瑠と目が合ったがプイッとそらされてしまった。
けれど睨むわけにはいかない。
もし未知瑠がなにかを口にした時点で、私は焼け死んでしまう。
私の命は、みんなにかかっているんだ。
でもいくら私が憎いとはいえ、さすがにわざと食べるようなことはしない?
だって、人殺しと同じじゃないか。
黙って席につく。
「心配するな。俺がよく言っといたから」
すぐに彰が机に来てくれた。
みんなに釘をさしてくれたらしい。
「ありがとう」
「気にすんな」
そう言って励ましてくれる。
今はその優しさがなにより有り難かった。
授業が進み、確実に時間も進んでいく。
あと半日、なんとかクリアできそうだ。
しかしそれは、お昼休みに起きた。