ん?


ここは__?


目を開けると、綺麗な青空が広がっていた。


薄い雲がゆっくりと流れていく。


随分と空が近いな、なんて思っていると「大丈夫か?」と私の顔を覗き込むのは、彼氏の亮平だった。


「あれ?どうして?」


むくりと体を起こすと、優しく背中を支えてくれた。


なんか、嬉しい。


ここ最近、亮平は部活部活で私のことを構ってくれない。


ここぞとばかりに、その胸に体を預けたが__。


コホン。


咳払いが聞こえて辺りを見回すと、彰が立っていた。


馬鹿でかい体が、そびえ立っているように見える。


てか、高1で薄っすら髭が生えてるとかなんなの?


「大丈夫か?」


けど、その見た目とは違って、彰は優しいところがある。


「あ、うん」と答え、亮平に引っ張られて立ち上がる。


「__屋上?」


今、立っているところは学校の屋上だった。


いつもよく来るから、ここから見える山や建物からして間違いない。


いつの間に、こんなところに来たのだろう?


「光莉?」


「あっ、未知瑠。一緒に屋上、来たっけ?」


と、起き上がった未知瑠に駆け寄る。


全員で来て、いつの間にか昼寝でもしてしまったのだろうか?


「そんなわけないだろう」


棘のある声に振り返ると、クラス委員の板垣康介が立っている。


その後ろには、佐野友美まで。