「とりあえず、先にみんなに頼んでみようよ。未知瑠も亮平もいいって言うと思うし、あとの2人もきっと了解してくれると思うから」


「__わかった」


やっと彰が頭を上げた。


「私も一緒に頼んであげるから、心配しないで」


「光莉、ありがとう」


彰にまじまじ見つめられ、照れ臭くて俯いてしまった。


その時、彰の手が私の手に触れる。


__えっ⁉︎


慌てて手を引いたが、強く掴まれて引き寄せられてしまった。


彰の分厚い胸にぶつかる。


きつく抱き締められ、すっぽりと彰の胸の中におさまった。


「あ、彰?」


「俺じゃ、ダメか?」


耳元で囁かれる、意外な彰の気持ち。


息遣いに温もり、亮平とはまた違った逞しさに包まれる。


「私には亮平がいるから」


「光莉、俺は__」


「ダメだって!」


突き飛ばす形で、彰のハグから逃れる。


しばらく見つめあっていたが、慌てて机の引き出しを開け__ロックを掛けてあった鍵を外した。


「た、宝くじ、あれなら、彰に預けようか?だ、誰か換金する人みつかった?」


彰からの返事はないが、慌ただしく小さな金庫を取り出した。


気まずい雰囲気を消すため、宝くじを__?


えっ?


「光莉、どうした?」


完全にフリーズした私に、彰が尋ねてくる。


でも私には、答えられなかった。