白雨の騎士

アンナはルカと共にアートの所へ向かった。

コンコン

扉を開けてアートの仕事部屋に二人は入った。


「…ルカ、久しぶりだな。」


ルカを見るなり懐かしそうに微笑むと手を差し出して二人は握手した。

「ご無沙汰してます。アート隊長」


当時、2人は王宮内で1.2を争う腕前の持ち主だった。

4個年上のアートが先に隊長になり、次はルカと言われていたが、家を継ぐために城を後にして以来2人は久しぶりに再開した。


アンナはキトの事をアートに報告した。


「…成る程、話は分かった。ルカ、お前は先にアナモネアに向かってくれ。私はすぐにこの話を国王に報告する。アリス様がアナモネアに行くかどうかは国王の判断に従おう。」


「…私の家の者が大変なご迷惑をおかけし申し訳ありません。すぐにアナモネアに向いキトの行方を探します。」


ルカは深く頭を下げるとその場を後にした。



「…アンナ、シド。今回はとても重要な訪問だ。恐らく国王は中止にはしないだろう。いつもより一層厳重な警護をするんだ。」



「分かりました。」