白雨の騎士


翌日、午前中にアリスとミラはバルコニーでお茶をした。

二人は年も近く話は盛り上がっていたようだ。


「…シド、朝から表情が暗いぞ。何か気になることでもあるのか?」

ルイがシドの顔を覗き込んで言った。


「…アリス様の午後の予定は?」


「午後からは来週からのアナモア国訪問の打ち合わせがある。それが終わったらアリス様の部屋でミラ様と夕食だ。」


「…そうか。実はこの後ミラ様に剣の手合わせを頼まれてるんだ。」


シドの言葉にルイはぶっと吹き出した。

シドは目を細めてルイを睨んだ。


「…お前、それでどうするんだよ。まさかカルドスの姫と手合わせをするのか?」


「まぁ、頼まれたからな。」


「面白いな、間違っても怪我させるんじゃないぞ。両国の死活問題になる。」


そう言うルイの脇腹を膝で突いた。