翌週、いよいよカルドスのミラ様が来国する日になると、王宮内は慌ただしくなった。
約500名の兵士たちによって、王宮までの道を護衛する事になり、シドもアンナ達と共に国境付近まで出迎えに行った。
国民達もミラ様を乗せたお馬車を一目見ようと沿道に大勢集まった。
無事に馬車が王宮へ着くと、皆んなが注目する中ミラ様が降りてきた。
ブルーの式服を身に纏ったミラ様を見て皆が驚いた。
スラリとした長身に、胸元まで伸びた美しいブロンドの髪。
誰もが見惚れてしまうような美しい容姿をしているが、腰には立派な剣を指していた。
国王陛下とアリス様の前まで来ると深々と頭を下げた。
「初めまして。ミラ・ドゥ・カルドスと申します。」
シドは少し離れた所からだったが、ミラ様の風貌はルイが話していたのとはまるで違う。
まるで絵画から抜け出てきたような美しさのミラ様は国王とアリスと共に城の中へと入った。



