机の上にはとってが割れたティーカップや、割れた皿が置かれていた。
「これでよくおままごとしたわ。」
シドはカップを手に取った。
「…この模様…」
カップに描かれている模様を見て、シドは何処かで見たことあるような気がした。
ふと、クッションにも同じ模様が描かれておりよく見ると部屋の至るものに同じ模様が描かれてある。
「カーテンにも同じ模様が…」
シドの言葉に、アリスは壁に掛けてある時計を見た。
「そう言えば…」
アリスは時計の窓を開けるともう動かない長針と短針を12時に合わせた。
ガチャ
すると、文字盤が外れた。
「この間、もう一度時計が動かないかと触っていて気がついたの。時計の針を12時に合わせると文字盤が開くのよ。」
外してみると、中には特に何もないが、カップなどに描かれていた模様が書いてある。
「っ、!」
ドクン…
すると、シドは心臓が鼓動した。
思わず胸に手を当てた。
……なんだ?この感覚。。
痛む訳ではないが、感じたことの無い違和感があった。
「たまにここへ来ると心が落ち着くの。」
アリスはもう動かない時計を見ながら呟いた。



