その後シドは二試合目、三試合目と順調に勝ち進んだ。

興味なさそうにしていたアリスも、シドが出る試合は食い入るように見守っていた。


そして、四試合目。シドの相手はリダだった。


カンッ!


開始の鐘がなると、容赦なくリダは攻撃を仕掛けて来た。


試合の疲れと先輩達から浴びせられる鋭い眼差しでシドは動きが鈍くなっていた。

出場資格のない自分が出ているのだから、非難は十分承知している。
だからこそ、ここで負けるわけにはいかない。


「はっ!!」

シドの攻撃にリダも姿勢を崩した。

両者一歩も譲らない戦いが続き、観客達も手に汗を握って試合を見つめた。


「やあっ!!!」


キンッ!!


「あっ、」

シドの剣が弾き飛ばされた。


「はっ!!」


再び剣を取ろうと手を伸ばしたところ、リダの剣がシドの腕をかすめた。


「うっ!!」


シドは攻撃を避けきれず、腕を抑えた。

ジンとした痛みと共にボタボタと地面に血が流れた。


「そこまで!!!」


シドは腕を抑えてその場に膝をついた。


ガタンッ!!


すると、その光景を見ていたアリスが立ち上がった。


「…アリス様??」

アリスはすぐにシドの元へ駆けつけた。

その様子に会場は一気にどよめいた。


アリスはシドの腕を見て審判を見上げた。


「…はやく!手当を!!!」


駆けつけたアリスにシドも呆然と彼女を見上げた。