ソフィアと名乗る少女は庭に咲く花を一輪摘んだ。


「ねぇ、どうして近衛になりたいの?」

ソフィアはブルーの綺麗な瞳でシドを見つめた。

その瞳を見ているとまるで吸い込まれてしまいそうな感覚がした。


「子供の頃からの夢だったので…」

しかし、今回の試験は皇女の結婚相手の候補のため…

シドは表情を暗くした。


ゴーン、ゴーン


城の鐘が鳴った。

ソフィアは立ち上がると先程摘んだ花をシドに差し出した。


「夢が叶うといいね」

そう言って微笑むと、ソフィアは去って行った。


…一体、誰だったんだろう。。



「…シド!」

すると背後からルイの声が聞こえた。


「何してるんだこんな所で。何だ?その花は。」


「あ…いや。何でもない」