「…何が医者だ。大嘘つきやがって。」
呆れ顔のシドに構わずルイは更に城の奥へと進もうとしていた。
「おい、俺は戻るぞ。試験が始まる。」
「アリス様が居ないってのに試験どころじゃないだろ。もう少し城の中を見て回ろうじゃないか」
そう言って歩き出すルイに、シドは溜息をついた。
ルイを放って試験会場へ戻ろうとすると背後から足音が聞こえてきた。
振り返ると近衛の制服を着た二人組が歩いてきた。
シドは慌てて廊下から中庭に出て身を隠した。
ルイはと言うと。咄嗟に近くの扉を開け中に入ったようだ。
あの馬鹿…!
メイドは誤魔化せてもまだ試験に受かってもいない俺たちが無断で城を出歩いていた事が近衛にバレたら当然試験は落第。
シドは中庭の植木の陰で近衛二人組が去って行くまで息を潜めた。
暫くして足音が聞こえなくなると誰もいないことを窓からそっと確認した。
あいつに付き合っていたら俺までとばっちりを受ける。
急いで戻ろうとした時、急に空が明るくなった。
ポツ…ポツ…
頬に水滴が垂れた。上を見上げると明るい空から雨が降り始めた。
呆れ顔のシドに構わずルイは更に城の奥へと進もうとしていた。
「おい、俺は戻るぞ。試験が始まる。」
「アリス様が居ないってのに試験どころじゃないだろ。もう少し城の中を見て回ろうじゃないか」
そう言って歩き出すルイに、シドは溜息をついた。
ルイを放って試験会場へ戻ろうとすると背後から足音が聞こえてきた。
振り返ると近衛の制服を着た二人組が歩いてきた。
シドは慌てて廊下から中庭に出て身を隠した。
ルイはと言うと。咄嗟に近くの扉を開け中に入ったようだ。
あの馬鹿…!
メイドは誤魔化せてもまだ試験に受かってもいない俺たちが無断で城を出歩いていた事が近衛にバレたら当然試験は落第。
シドは中庭の植木の陰で近衛二人組が去って行くまで息を潜めた。
暫くして足音が聞こえなくなると誰もいないことを窓からそっと確認した。
あいつに付き合っていたら俺までとばっちりを受ける。
急いで戻ろうとした時、急に空が明るくなった。
ポツ…ポツ…
頬に水滴が垂れた。上を見上げると明るい空から雨が降り始めた。



